今回は、まさしくタイトル通りの話。5月30日の朝のニュース番組で、週刊朝日が休刊すると報じられていた。創刊以来101年もの長い歴史に、いったん終止符が打たれることになる。
正直に言うと、私が週刊朝日を買うことは決して多くなかった。同じ朝日系なら『AERA』のほうが好きだった。
そもそも最近では週刊誌というメディアの存在すら忘れていた、というのは大げさだが、ほとんど買わなくなっていたのは確かである。たしか10年くらい前までは、毎週何かしらの週刊誌を買って読んでいた記憶がある。
週刊誌ほど多様なジャンルの情報が得られる媒体はないと私は考えていた。そして値段は300円か400円程度。この値段で、この情報の量と質。こんな素晴らしい媒体は他にないとまで思っていた。
新聞やレギュラーなニュース番組が正面からテーマを捉えるのに対し、週刊誌はちょっと斜に構えた姿勢でもって、裏側からも問題を抉り出してくれる。そういう印象を抱いていた。
他にも、著名な作家が肩の力を抜いてサラサラと流すように書いた雰囲気のエッセイを読めたり、さらには新刊書、映画やコンサートの情報などを得られたりもする。うーん、こうやって考えてみると、やっぱり週刊誌って素晴らしい。
そんな私ではあるが、いつのまにか週刊誌から離れていた。そして最近では、テレビのニュースをよく見ている。
今どきのニュース番組は、おそらく新聞には載らないであろう身近な社会の問題とか、あるいは問題というほどでなくとも、世の中の小さな変化の芽生えというか、なかなか興味深い話題を見聞きすることができる。
最近はバラエティ番組も変わってきていると思う。単に娯楽を提供する類のものが減ってきて、その代わりに知識を得られたり、世の中で起きていることを学べる番組が明らかに増えてきた。
他にも、一般人が、自分の身近なところで力を発揮して、社会に貢献している姿を紹介してくれる番組なども良い。仕事であれ何であれ、一生懸命がんばっている人の姿は、今の私に元気をくれるのだ。
日頃、言われたことしかやらない、向上心のない連中に囲まれて働いているので、なおさら、そう感じるのだろう。おっと、つい愚痴が出てしまった。
何にせよ、かつてはそれなりに熱心な週刊誌の愛読者だった私であるから、週刊朝日の『休刊特別増大号』は記念に買っておこうと思ったのである。
ところが、なんと。30日の朝も夕も、私はコンビニに寄ることを忘れ、この休刊号を買いそびれてしまったのだ…。そこで翌31日の朝、複数のコンビニを回って探してみたのだが、すべて売り切れていた。それなりに深くガッカリした。
日々、仕事に家事、育児と忙しい身なので、この手のことは思い立ったら即刻リマインダーに載せておかないと、すぐに忘れてしまう。
買い損ねたものの諦めきれず、まだネット上では売れ残っていないかとスマホの画面を眺めていたその時、思わぬ朗報が目に飛び込んできた。
この休刊特別増大号、あまりの反響の大きさを受けて、即重版が決まったとのこと!
というわけで、私同様に買いそびれた方は、6月1日以降、毎日コンビニや書店に行って休刊特別増大号を手に入れましょう。そして、週刊誌に勢いのあった、あの時代を振り返るのです。
我々は、ある意味、とんでもない時代を生きてきて現在があるのだということを、いったん立ち止まって思い出したい。そんな気分にもなってくる。今のキレイな時代の理不尽なんか、あれに比べたら、どうってことはない。そう思えてくるのではないか。
なんだか話が逸れてきたが、とにかく記念に買っておこう。なお、この最終号には村上春樹のインタビューも載ってるみたいなので、ハルキストの皆さんも買っておきましょう。