さようなら東急本店、そして西武セゾンの栄華とミニシアター文化について

今年最初の記事で、できるだけ月に2回ブログを更新したいと書いた。が、しかし。今日は1月最後の日である。

今年もはや一ヶ月が終わってしまう。速過ぎる。とにかく時が経つのが速過ぎる。そう感じるのは私が歳をとったせいだと思っていたら、どうやら違うようだ。

というのは、私の知り合いから聞いたところによると、最近では小学生でも、時が経つのは速いと言っているらしい。

今どきの子ども達は、やれ塾だ、やれスポーツクラブだと、毎日あれこれ忙しくしているようだから、そのせいではないか。

私が子どもの頃なんぞは、空き地で友人たちと野球をやったりゲーセンで遊んだり。まあ習い事や塾通いも少しやっていたが、基本的には気楽な日々だった。今の子は大変である。

さてさて本日2023年1月31日は、渋谷の東急百貨店本店が閉店した日である。ぶっちゃけ私は、東急本店に大した思い入れはない。とはいえ55年もの歴史を刻んできた有名百貨店の本店が完全に閉店するとなると、いささか淋しい思いになるのも確かである。

百貨店業界が苦境に陥っているのは、かなり前から言われており周知の事実。とりわけ私にとって、百貨店業界がいかに大変かを象徴する出来事は、西武百貨店がセブン&アイの傘下に入ったことだ。

かつて西武セゾングループが栄華を極めた時期を知っている年代のおじさんとしては、あの西武百貨店がコンビニの傘下に入るということ自体、率直に言って信じがたいのである。

まあセブン&アイは、より正確に言うと、コンビニ事業を柱としている持株会社ということなのかな。でもコンビニが中心だから、ここではコンビニと言っときます。

そして遂に、そのコンビニにも見放され、米国の投資ファンドに売却されるというのだから、さらに信じがたいのである…涙(でもセブンは個人的に好きです。念のため)。

ともかく西武セゾンとは、まさしく時代の流行を引っ張っているイメージが、ある程度以上の年齢の人たちの中にはあるだろう。

毎年バーゲン(昔は安売りのことを「セール」ではなく「バーゲン」と言っていた)の季節になると、テレビからお馴染みの歌が流れてきたのを思い出す。

♪グラン・バザール、グラン・バザール、アーアーーーアーーーー♪という歌だ。どこか常夏の島を思わせる(?)陽気なメロディーである。これはパルコのTVCMで頻繁に使われていた。このパルコも、かつてはセゾングループ。今はJ.フロントリテイリングの傘下だって。世の中、なんとかホールディングス、なんとかリテイリングがやたら増えた。

西武セゾングループという名前も、いろいろ変遷があるようだが、私はあまりこだわらない。西武百貨店がグループに入ってたから、まあいいよね。

ともかく西武セゾン=オサレ。文化度が高い。そんな感じ。

セゾン系と言えば、かつてギロッポンには『WAVE』というCDショップがあり、さらに同じビルの地下には『シネヴィヴァン』というミニシアターがあった。それぞれ高感度な文化発信地として名を馳せていたのだ(高感度という言葉も今では懐かしい)。

ミニシアターというものは、私の記憶の中では80年代のバブルの頃から増え始めた印象がある。世はバブルに浮かれる一方で、静かでアートな映画を楽しむ文化も拡がっていたのだろう。

まあネットで調べれば正確な開館時期も簡単にわかるのだが、私のような年齢になると、時には正確な史実よりも、自らの心にある朧げな記憶の中で遊ぶのが楽しくなるのだ。これも歳をとる醍醐味である。

それで具体的には、六本木の『シネヴィヴァン』、渋谷Bunkamuraの『ル・シネマ』、日比谷の『シャンテシネ』、銀座の『シネスイッチ』。このあたりが私にとって、ミニシアター界のスターと言うべき存在である。

ではここで、誰にも頼まれていないが、それぞれの映画館で観た、私の記憶に残る名画のタイトルを少しばかり書き出してみる。

シャンテシネ・・・『日の名残り』

名匠ジェームズ・アイヴォリー監督と原作カズオ・イシグロによる傑作。人生の悲哀を深く、そして美しく綴った名品! 他には『リトル・ヴォイス』も、内に秘めた情熱と才能が眩いばかりに輝くさまに胸を打たれた。

ル・シネマ・・・『髪結の亭主』、『王妃マルゴ』、『美しき諍い女』などなど。

ミニシアターと呼ばれる映画館の中では、通った頻度が一番高いのがここかもしれない。まだ私も若かったけれど、結構、芸術的な作品を観ていたんだね。

シネヴィヴァン六本木・・・『CUBE』

冒頭からして圧巻!

シネスイッチ銀座・・・『?』

何を観たか、すぐには思い出せない。良い作品を絶対に観ているはずなんだけど。思い出したら書き足してみよう。

というわけで月に2回のノルマ、なんとか初めの月は達成である。それにしても、こういう風に自分が好きなことを書きつけるのって、なかなか気持ちがいい。またやってみたいね。

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